■ 舛添都知事のヤフオクアカウント問題をAmazon輸出の視点で考えてみる
舛添都知事のヤフーID「ymasuzoe」が削除された。本人によると、「アカウントは自分のもの」、「美術品などを購入していた」と説明。IDが乗っ取られ、なりすましがシュウマイや本を頼んでいたため削除した。迷惑行為はやめてほしいと訴えた。
これに対してネットでは、
- やましいことがなければ、アカウント削除しなければいい
- 証拠隠滅だ
- 乗っ取られたIDをどうやって削除するんだ?
- 転売して儲けていたのでは?
などと反応しています。
政治活動上で利用するものをヤフオクで購入(落札)することについては、何の問題もないでしょう。例えば美術品を購入して政治事務所の壁に掛けるとか、お菓子を購入しておいて訪問者にお土産として渡すとか、政治活動をしていればいろいろな「もの」が必要です。その「もの」を購入する際に、「Amazonならいいが、ヤフオクで落札してはいけない」ということはありません。むしろヤフオクの方が安く手に入ることもありますから、お金を節約できる場合もあると思います。
「証拠隠滅だ」という人もいますが、これも当てはまりません。なぜなら、ヤフオクでの出品や落札の履歴はヤフーのサーバーの中に保存されています。またそのデーターを第三者に提供している「オークファン」というサービスもあります。これらのデーターやサービスを利用すれば、過去の履歴は簡単に参照できます。ヤフオクのIDを削除しただけでは、過去の履歴のすべてを削除することはできません。
また「IDが乗っ取られた」、「(本人が)IDを削除した」という部分に疑問を持つ方も多いようです。
ネットでは、「乗っ取られたIDを本人が削除することはできない」という意見もあるようですが、実際には簡単にできます。ヤフオクのサポートにに連絡して「IDが乗っ取られたから、削除してくれ」と訴えればいいだけです。
一番の問題は、IDが乗っ取られたことによって、個人情報が盗まれたり、過去の落札履歴などが外部に漏洩してしまうリスクでしょう。実際にIDが乗っ取られたことによって、勝手にシュウマイを注文されたり、本を落札されるという被害が出ていると、舛添氏本人が説明しています。
Amazon輸出の視点で見る舛添都知事のヤフオクアカウント問題
「アカウント乗っ取り」問題を解決するために、Google、アップル、マイクロソフト、フェイスブックなどでは、「二段階認証」によるセキュリティを導入しています。「二段階認証」とは、サイトにログインする際に携帯電話やスマホにSMSメッセージを送信し、そこに書かれている数字を入力させるというものです。これにより、IDが乗っ取られるリスクを大幅に減らすことができるとされています。
Amazonは、現状ではこの「二段階認証」によるログインを採用していません。Amazonのサポートによると、近い将来導入するようです。二段階認証が導入されれば、「AmazonのIDが乗っ取られ、Amazon輸出であなたがなにを販売しているのか、過去にどれだけ売れたのか、在庫はどれくらいあるのか、価格はどのように改定しているのか」などの重要な情報は、さらに安全に守られるようになるといえるでしょう。
さて、ここからが問題ですが、以前からご説明しているとおり「Amazon輸出ツール」を利用している場合は、あなたの貴重なノウハウが、ツール提供者にすべて丸見えになっていることに注意しなければなりません。いくらAmazonが「二段階認証」を採用しても、個人情報を保護していない「Amazon輸出ツール」を利用している限り、あなたの出品している商品、販売実績、在庫数、価格改定戦略などは、すべてツール提供者から丸見えになっています。
では、Amazon輸出ツールがあなたの情報を盗んでいるツールかどうか、どうやって見分ければいいのでしょうか。これも以前からご説明していますとおり、主に次の3点が挙げられます。
- 「私たちのツール利用者の総売上額が○○億円を達成しました」と公表している
- ツール利用者の売上ランキングを公表している
- 海外発送代行会社と提携している
このようなツールは個人情報を盗み見ています。個人情報を盗み見ていなければ、ツール利用者の売上総額や、売上ランキングなどはわからないからです。なお、こういったツールについては、サイトの画面のキャプチャを画像形式で保存しておいたり、サイトを過去にさかのぼって確認できるInternet Archiveなどのサービスを利用して、そのツール提供者が過去にどのような情報を発信していたのか、確認・保存しておくことをおすすめします。
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