■Kindle Unlimited 読み放題 電子書籍著者から見たAmazonの変化とは?
Kindle書籍や雑誌の読み放題サービス「Kindle Unlimited 読み放題」が始まり、約1ヶ月がたちました。「Kindle Unlimited 読み放題」は月額980円で、Kindleの書籍や雑誌が読み放題になるという、Amazonの新しいサービスです。
読み放題になると言っても、全てのKindle書籍や雑誌が対象になるわけではありません。しかし海外(私はフィリピン)に住んでいる日本人にとって、日本語の本を読む手段はKindleしかありませんから、限定的とはいえ電子書籍が読み放題になるというのは、画期的なサービスです。
私は1日に1~3冊の本を読むので、1ヶ月の書籍代が数万円になることもありますが、それが月980円で収まるならと言うことで、「Kindle Unlimited 読み放題」が始まった初日に申し込みました。
ところで、私は電子書籍を約40冊出版しています。電子書籍の著者として「Kindle Unlimited 読み放題」が始まってから、Amazonの対応に変化を感じる出来事がありました。簡単に言うと、Amazonの態度がでかくなりましたw
Kindleで電子書籍を出版する場合は、2つのプランがあります。「より多くの印税(書籍を販売したときに著者がもらえるお金)をもらえるが、Amazon以外で販売できないプラン」と、「より少ない印税になるけど、Amazon以外でも販売できるプラン」です。
つまりAmazon Kindleには、「その電子書籍をAmazonで独占的に販売してくれれば、あなたの本が売れたとき、より多くの印税(お金)をあげますよ」というプランと、「その電子書籍を他のサイトなどで販売してもいいけど、その場合はAmazonからの印税は安くなりますよ」という2つのプランがあるわけです。
Amazonとしては、全ての電子書籍をAmazonから独占販売したいはずです。そして今回の「Kindle Unlimited 読み放題」が始まってからは、明らかに前者(つまりAmazonでの独占販売)に誘導するような流れを、Amazonが作ろうとしています。
例えば、電子書籍を出版する際に、書籍の説明文を掲載することができます。これまでは、この書籍の説明文の中に、自分のサイトのURLやキャンペーンなどの告知を書き込むことができました。
私も、約40冊の電子書籍の説明文に、自分のサイトのURLやキャンペーンを書き込んでいました。ところが「Kindle Unlimited 読み放題」開始後、それができなくなりました。「Kindle Unlimited 読み放題」サービス開始とほぼ同時に、全ての書籍に対して、「書籍の説明文内にURLやキャンペーンの書き込みを消すこと」というメールがAmazonから来たのです。
これは、Amazonが電子書籍の著者を囲い込もうとしている証拠と言えます。
Amazon Kindleのライバルとされてきた「楽天 kobo」というサービスがあります。楽天koboも電子書籍サービスです。私は自分の電子書籍をAmazon Kindleと楽天koboの両方のサイトから出版していました。
Amazon Kindleと楽天 koboを比較すると、Kindleの方が売上で約10倍の差があります。Kindleで出版した方が、koboで出版するより約10倍多く売れるのです。
しかもここ1ヶ月は、楽天koboの著者の管理画面は動いておらず、売上の統計も1ヶ月前から更新されない状態が続いていました。そこで私は、「Kindle Unlimited 読み放題」開始のタイミングで楽天koboでの出版を取りやめて、Amazon Kindleでの独占販売をすることにしました。そのあとすぐに送られてきたのが、「書籍の説明文内にURLやキャンペーンの書き込みを消すこと」というAmazonからのメールだったわけです。
Kindleのライバルとされてきた楽天koboは、現状ではあまり利用価値がありません。「Kindle Unlimited 読み放題」の開始で、今後もKindleの利用者が増えていくはずです。そして電子書籍著者にはKindleで独占販売するように巧みに誘導し、さらにそのKindle本では、本来著者が行いたい自分のサイトのURLやキャンペーンなどの告知などができなくなるように、仕様を変更しているわけです。
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