■「中古パソコンを転売するというビジネスがあるのですが、どう思いますか?」
もう数ヶ月前ですが、コンサル会員さんからこのような相談をいただきました。
中古パソコンの転売ビジネスを説明する前に、まずこの記事を見てください。
「アキバでは2万円台も続々! 海外メーカー製激安ノートPCは買い?」
秋葉原で、新製品のパソコンが3万円以下で入手できるという内容です。
型落ちでもなければ、中古でもない、新発売されたばかりの新品パソコンというところが注目点ですね。
■この記事にあるように、メールやオフィスソフト、簡単な画像編集に利用するのであれば、この3万円以下のパソコンで十分です。
PhotoshopやIllustratorで本格的なデザイン制作の作業をしたり、映画並みの動画を編集する仕事でない限り、パソコンにこれ以上の性能は必要ありません。
私が7年前に購入したノートパソコンは、この記事のパソコンよりも遥かに低スペックですが、今でも仕事に使うのに何の支障もありません。
ちなみに私の利用しているパソコンは、すべてWindowsXPです。
一度Windows7にしましたが、動作が重いので、Windows7の2つ前のバージョンWindowsXPに戻しました。
WindowsXPは2001年にリリースされたOSですが、最新のWindows7よりむしろ軽くて使いやすいです。
■そもそも、パソコンに余計な物が多く積み込まれていて、その分価格が高くなっているという指摘は、DOS/VパソコンにOSがプレインストール販売され始めた頃から言われ続けていることです。
そして今では、クラウドコンピューターの拡大で、ハードディスクやメモリーさえも要らなくなってきています。
「ハードディスクやメモリーも不要で、OSやソフト等も全てこちらで用意する」という新しいコンセプトで今年7月に登場したのがGoogleの「Chrome BOOK」で、これが世界中で話題にならないわけがないと書いたのはそういう理由からです。
■さて、「中古パソコンの転売ビジネス」ですが、これは、秋葉原やヤフオクなどで「ジャンク パソコン」すなわち動くか動かないか保証のないパソコンを安く購入し、自分で修理して高く販売する、という転売ビジネスです。
例えば秋葉原で中古パソコンを仕入れる場合、中古パソコン専門店へ行って修理・転売できそうなノートパソコンを選びます。
ノートパソコンといってもかさばると重いので、3台以上仕入れる場合は自動車などを利用します。
そして自宅に帰ってそのパソコンを修理し、動くようにしてヤフオク等で転売します。
仕入れから修理、動作確認、出品まで、パソコン1台に付き少なくとも1?3時間くらいかかります。
1台の転売利益は、多くて2~3,000円くらいです。
■ここで、時代の流れとして
(1)新品パソコン本体価格は既に3万円以下、将来的に1万円以下になる可能性がある
(2)ハードディスクやメモリーなどのパソコン周辺機器、そしてOSも含めた基本ソフトも、クラウドコンピューターで提供される環境がすでに整いつつある
という現状があります。
こう考えると、中古パソコン転売ビジネスは、衰退産業(下り行きのエレベーター)という見方が正しいようです。
■唯一活路があるとすれば、海外への輸出です。
海外では日本語で動くパソコンが入手しにくいので、日本で安価に入手したジャンクパソコンを海外に輸出すれば、それなりに売れると思います。
実際、秋葉原の中古パソコンショップには、海外への輸出を目的としている転売屋さんが大勢いて、店内の中古パソコンを隅から隅までチェックしている姿をよく見かけます。
しかしこれには、関税や輸出規制(パソコン本体やリチウム電池など)、配送時の故障リスクなど高い壁があります。
また、Chrome BOOKなどのクラウド型パソコンには、言語の壁がありません。
Chrome BOOKを箱から出して電源を入れ、日本語を選べば日本語のパソコンになり、英語を選べば英語のパソコンになります。
日本語パソコンの輸出ビジネスも、3年以内に撤退する覚悟なら挑戦してもいいかもしれませんね。
■「愚者は俺がやれば儲かると考える。賢者は誰でも儲かる事業に参入する。」
もし今からあなたが中古パソコンの転売ビジネスを始めるのであれば、このような現状を熟考する必要があります。
これはパソコン本体に限らず、パソコンパーツでも同じ事です。
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