AmazonはFedExを破壊するか?

AmazonはFedExを破壊するか?

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AmazonはFedExを破壊するか?■ AmazonはFedExを破壊するか?

Will Amazon Kill FedEx?

For UPS and FedEx, Amazon’s been great for business. Now it’s taking business away from them.

AmazonはFedExを破壊するか?
いまやAmazonは、FedExやUPSを脅かす存在となっている。

(参照: Will Amazon Kill FedEx?

あなたは、既にAmazonが自社の飛行機や貨物船を保有し、世界中の空輸と海運を支配しつつあるのをご存じですか?

「Amazonの配送」と言えば、送料無料とか、当日配送などばかりが注目されがちです。ところがAmazonは、あなたの知らないうちに世界的な物流企業に成り上がっています。今では、FedExやDHL、UPSをも脅かす存在です。

数年前までのAmazonは、「利益の出ない(出さない)」企業として有名でした。どんなに事業で儲かって利益が出ても、それを先行投資に使うので、結果的にAmazonの事業収益はほとんど0か赤字だったわけです。利益を出そうと思えば出せるけど、それを全て未来の投資に使っていたわけですね。

ところが今は、クラウドサーバ事業などが絶好調で、いくら先行投資をしても利益が出てしまう(儲かりすぎてお金の使い道がない)ところまで成長してしまいました。ですから、飛行機も貨物船も買いたいだけ買うことができます。結果的にFedExやDHL、UPSをも脅かす世界的な物流企業になってしまったわけです。

FedExやDHL、UPSと比較してAmazonの強みは、「販売と配送」がくっついていることでしょう。

日本の郵便局もそうですが、FedExやDHL、UPSなどは、「配送専門会社」です。自ら商品を販売しているわけではありません。これらの配送専門会社は、「誰かの荷物の配送を手伝う」ビジネスをしているだけです。

確かに郵便局などでは、地元の特産品を郵便で配達するなどして、「商品の販売と配送」がくっついたサービスをしていることもあります。しかしそれは、Amazonの物販と比較すれば、ごく小さい規模のものです。

郵便局、FedEx、DHL、UPSなどの「配送専門会社」は、誰かから荷物の配送を依頼されてはじめてビジネスが成り立ちます。ですから、他者に依存したビジネスです。ところがAmazonは、もともと世界最大規模の「物販サイト」があり、その配送のために自分たちの発送システムを利用できるという強みがあるわけです。

さて、もし郵便局、FedEx、DHL、UPSなどの「配送専門会社」がAmazonの配送ビジネスによって全て破滅してしまった場合のことを考えて見ましょう。

その時は、恐ろしいことが起こりますwつまり、eBayも、ヤフオクも、楽天も、全ての配送は「Amazonに依存する」ことになるからです。

郵便局、FedEx、DHL、UPSなどの「配送専門会社」が全てなくなり、Amazonしか残っていないのですから、eBayも、ヤフオクも、楽天も、配送は全てAmazonに依頼しなければなりませんw

「郵便局、FedEx、DHL、UPSがなくなるなんてことはないだろう」とあなたは思うかも知れませんが、本当にそうでしょうか。例えばいまでも郵便局は、経営状態が「八方塞がりのジリ貧地獄」と言われています。ヤフオクやeBay輸出などの物販ビジネスでは、毎日のように郵便局にお世話になるので、日本郵便は安泰だと思いがちです。ところがその日本郵便でさえも、すでに経営は「ジリ貧地獄」と報道されています。

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郵便局、FedEx、DHL、UPSなどの企業がなくなることはないと思いますが、Amazonの方が配送料金が安くなるということは十分考えられます。Amazonの方が配送料が安ければ、郵便局、FedEx、DHL、UPSではなく、Amazonの配送システムを利用する人が多くなるでしょう。そして次世代の配送システム「ドローン」が普及していけば、ドローンで先行しているAmazonの時代になります。ここまで来れば、郵便局、FedEx、DHL、UPSなどは、先行するAmazonの配送システムに追いつくことができなくなります。

「郵便局、FedEx、DHL、UPSを利用する人がいなくなることはないだろう」という考えは、楽観的すぎます。
送料が安ければ、ヤフオク、楽天、eBay輸出でも、Amazonの発送システムを利用せざるを得なくなります。
そして「ドローン」の時代になれば、Amazonによる世界の物流業界の支配はさらに強化されます。

ピーター・ドラッカーは、2000年頃に「配送を制するものがeコマースを制す」と予言しましたが、今やっとその意味をみんなが理解し始めたように思います。

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